衣替えとなり、上着が必要だったり不要だったりという気候が続く中、今週に入ったらいきなり寒さを感じるようになり、朝晩の気温がぐっと下がっただけでなく、晴れていたとしても日中の気温もそれほど上がらなくなりました。最上地区では、早々とインフルエンザが流行し、学級閉鎖となった学校まであります。これから11月にかけては、暖房も入らないために一年中で最も寒さを感じる季節かと思います。自身やご家族の体調管理には十分注意し、具合が悪いと感じたときには、早めの休養や受診を心がけてください。
さて、先月の最終週には高等部1年生が、そして現在は2年生、来週からは3年生が後期の「現場実習」を行っています。以前には高等部全学年が一斉に行っていた時期もありましたが、近年は高等部の人数も多く、受入れ先がなかなか見つからないことや、実習を受けていただく方でも受入れ体制を整えるのが難しいために、学年ごと分けて行っております。
この実習は、学校で行っている作業学習の集大成として行い、課題が見つかれば学校生活でさらにそれらの克服に取り組み、卒業後の進路につなげることが最大の目標であることは間違いありませんが、それ以外にも様々な目的があります。それは、社会人としての心構えを学ぶことであり、一般常識やマナーを知って今後の生活に役立てることもあると思います。また、責任感や使命感という目には見えにくいもの、いわゆる「心の成長」を最も身につけてほしいと言う人もいます。
私も前期の現場実習に引き続き、高等部生がお世話になっている企業や事業所をいくつか訪問し、生徒たちの頑張っている姿を見せていただくと同時に、職場の方々と生徒の取り組みについてお話しをさせていただきました。あるいはお世辞も入っているかもしれないので100%信じることはできないかもしれませんが、私が訪問した先ではみな生徒の熱心さを賞めていただきました。特に集中力などは、障がいのない子どもたちよりもずっとあるのではないかと評価してくださる方もいらっしゃいました。技術や手先の技能よりも、むしろ一生懸命にやろうという意欲や、仕事に対する姿勢などが評価されるように感じました。
現場実習は、事前の説明会でも再三お願いしているとおり、ご家庭の協力がなければ成り立ちませんし、良い成果を上げることもできません。前述のように、良い結果を出しているということは、ご家庭のバックアップが素晴らしいということを如実に物語っております。学校と家庭のスクラム・同一歩調が、現場実習だけでなく、他の場面や学習の取組みでも続けられるように、今後ともよろしくお願いいたします。
平成28年10月13日
県立米沢養護学校
校 長 大 原 良 紀