後に伝説となるであろう29年度「大運動会」が終わり、高等部は第1回目の現場実習を行なっています。1年生は本校での実習、2~3年生は産業現場に赴いての実習です。これは、本校だけでなく西置賜校でも同様です。
写真は、6月14日(水)に西置賜校の午後の実習に私も一緒にチャレンジしたときのものです。コーヒーづくりの作業は本校同様で、【コーヒー豆の選別】【豆の焙煎】【豆をひく】【計量】【袋詰め】【密封】【シール貼り】・・・などなど多くの工程があります。各担当生徒がそれぞれの仕事を責任を持って行ないます。私はこの日、コーヒー豆(生豆)の選別(=ハンドピック)を行ないました。
ブラジルから輸入した生豆を大量に仕入れますが、全ての豆が良い豆とは限りません。不細工な豆は取り除かなくてはいけません。虫食いがあったり、色が変色しているのはもちろんですが、少し欠けていたり小さかったりする豆も除外します。不揃いな豆を入れてコーヒーを作ると、若干ですが渋みが出るのだそうです。したがって、せっかく購入した豆ですが、何と2~3割は廃棄処分になるのです。(豆のハンドピックは焙煎後にも行なわれます)
私はこの日が初めてでしたので、なかなか作業は進みません。一緒に行なっているA君は、素早く不細工な豆を手袋を付けた手でどんどん取り除いていきます。私はピンセットでつまみながらトレーの上の豆を選別しましたが、終わったかなと思って「これで良いでしょうか?」とA君に尋ねると、彼はじっと見て、私のトレーからまた何粒も取り除いてから私に「OK」サインを出してくれました。まだ彼も作業を始めて2ヶ月も経っていないのにこれだけしっかりと作業が行えることに感心しました。結局この日の仕事にはほとんど役に立たない私でしたが、【体験作業】により米養の作業学習で出来上がる製品に対しての誠実さや真剣さ、安全等を改めて知ることができました。
現在、産業現場実習先で実習を頑張っている生徒達も、本校の作業学習で培った力を存分に発揮しているところです。残念ながら私は全ての実習先に赴くことはできませんが、訪問した先では熱心に作業をする姿勢を賞められることばかりで、非常に嬉しく思いました。しかし、賞められたからといって喜んでばかりもいられません。実習だから大目に見られていることもあるかと思います。実際戦力と考えるともっと厳しいのでしょう。残り1週間ですが、最後まで精一杯働く姿勢を見せていきましょう。格好付けることはありません。いつもの姿を見せるだけで良いのです。校長先生は皆さんの力を信じています。S=信じています(すばらしさを)。M=メモリー。A=ありがとう。P=パワー
平成29年6月19日
山形県立米沢養護学校
校 長 大 原 良 紀