校長室だより
夏休みが終わり、2学期がスタートしました。2学期が始まるのとほぼ同時に、本県独自の「新型コロナウィルス感染拡大防止特別集中期間」が始まり、9月15日まで続きました。このことを受けて、本校では分教室・分校も含めて、教育活動に様々な影響がありました。
特に、間近に控えていた修学旅行は、延期や期間の縮小、行先の変更等、様々な変更を余儀なくされました。宿泊学習については、泊を取りやめ、代替えとして日帰りの校外学習を行うことに変更しました。大変残念ではありますが、児童生徒とそのご家族、教職員の健康と安全を考えますと、やむを得ない対応であったと思います。
さて、9月初旬は、例年になく涼しい日が続きましたが、中旬以降は日差しが戻ってきて児童生徒も、青空の下で元気いっぱい活動することができました。
長井校小学部では、教頭先生の指導の下、校門そばの水路に出かけて、網でザリガニやカエルを採るのがブームになっています。晴天のある日の昼下がりに、私も同行しました。
児童たちは、どの辺りに生き物が潜んでいるのかが分かっていて、網を水中に突っ込んですくい上げ、何とか大きなザリガニを捕獲することに成功しました。他にも、トノサマガエルを数匹捕まえてとても満足気でした。まだ生き物のつかみ方に慣れていなくて、多少乱暴に扱ってしまうことがありますが、実際に生き物と触れ合う中で、徐々に扱いにも慣れ、生き物を大切に扱うことを覚えていくことと思います。

水路でザリガニ採りをする長井校の児童
また、9月下旬からは、本校高等部3学年の「産業現場等における実習」が始まりました。幸いにも数日前に「感染拡大防止特別集中期間」が明けたため、いずれの受け入れ先でも予定どおり受け入れていただくことができました。今回の実習は、3年生にとっては、自分の進路先を確定するための大事な実習であり、どの生徒も、決意と意欲をもって今回の実習に臨みました。
私が訪問した米沢市内にある企業では、男子生徒が、ビーフシチューのレトルトパックの箱詰めをしていました。箱を組み立て、向きに注意しながらレトルトパックをそこに入れ、箱の蓋を閉じて、いくつか個数がたまったら大きな段ボールの箱に並べて入れるという作業を立ちっぱなしでやっていました。大変手際が良く作業も丁寧に行っていて、前日からこの作業を始めて、今日までで700パックの箱詰めを終えたとのことで、担当の方から大変ほめていただきました。この実習先は、この男子生徒にとって、とても自分に合っていて働きやすい職場のようで、やらせていただいている仕事も本人に合っているようでした。

実習先で箱詰め作業を行う本校高等部の生徒
実習とは違って長く働く仕事となれば、作業に対応できるか否かだけでなく、健康管理や同僚とのコミュニケーションなどもよりよくしていかなければなりません。興味関心や作業に係る適正のほかに、そういった課題についてもしっかり取り組んでよく検討した上で、今後、進路先を確定していくことになります。高等部3年生の皆さん、進路先の確定に向けて頑張っていきましょう。なお、西置賜校高等部3学年については、10月4日から実習が始まります。
令和3年9月30日
山形県立米沢養護学校
校 長 飯 野 明