本校、西置賜校ともに、後期の「産業現場等における実習」(以下現場実習と表記)が始まりました。今年は、新型コロナウィルス感染症の影響で、前期の現場実習を実施することができなかったのですが、後期については、何とか実施できる運びとなりました。
<西置賜校>
9月29日には、障がい者雇用枠を活用して企業等への就労を目指す3名の西置賜校生徒の実習先を訪問しました。はじめに、長井市時庭の富士工業株式会社(トップパーツ山形)を訪問しました。ここでは、高等部2年の男子生徒が、機械の部品を洗浄する作業をしていました。工場内には工作機械の大きな音が鳴り響いていましたが、その中でも、作業にしっかり集中して取り組むことができていました。

機械部品の洗浄を行う男子生徒(中央奥)
次に、長井市中伊佐沢の株式会社テヅカを訪問しました。園児服や学生服を中心とした縫製製品を作っているこの会社では、高等部3年の女子生徒が、ミシンを使った縫製作業に取り組んでいました。この女子生徒は、昨年度もこの会社で実習していて、職場環境にも作業にも随分慣れてきた様子でした。

布地にアイロンがけを行う女子生徒(手前)
最後に、道の駅川のみなと長井を訪問しました。ここでは、高等部2年の男子生徒が、お店に出す野菜の下処理に取り組んでいました。バックヤードで一人黙々と作業に打ち込む姿に頼もしさを感じました。
<本校>
本校においても、同様に企業等への就労を目指す2名の生徒の実習先を訪問しました。

荷物の仕分けを行う男子生徒
9月8日には、高等部3年の男子生徒が実習している佐川急便米沢営業所を訪問しました。訪問した際には、ベルトコンベアにのって流れてくる荷物の中から、自分が仕分け担当となった配送地域の荷札が付いた荷物を探し出して、ベルトコンベアから降ろす作業をしていました。結構なスピードで流れる荷物のタグを見て、担当地域のものかどうかを判別することができていて、よく頑張っているなと感心しました。

お客が帰った後、コーヒーカップ等を下げる男子生徒
また、10月6日には、本校高等部2年の男子生徒が実習しているコメダ珈琲米沢徳町店を訪問しました。バックヤードから仕事ぶりを覗かせてもらいましたが、ホールリーダーの方の指示を聞いててきぱきと作業し、お客様が来店した際には、「いらっしゃいませ。」と声を出すこともできているようでした。
障がい者雇用枠を活用して企業就労を目指す生徒だけでなく、他の生徒たちも、自分の適性や希望する進路先に合わせて、同様の時期に、企業や事業所等での現場実習を行っています。現場実習は、卒業後の生活につながる大切な学習です。企業・事業所等で実際に働くことを体験し、自分の適性を見極めるとともに、働くために必要な知識・技能を習得していきます。慣れない環境でまとまった期間生活することによって、様々な課題や可能性が浮き彫りになってきます。それぞれ有意義な実習ができることを期待しています。
令和2年10月26日
山形県立米沢養護学校
校 長 飯 野 明